更新日:2007/08/21(火) 21:12

2007年8月 薬師岳縦走 宮里

薬師岳縦走   
室堂から一ノ越山荘(泊)
一ノ越山荘から雄山往復(中止)、獅子岳、ザラ峠を経て五色ケ原山荘(泊)
五色ケ原山荘から鳶山、越中沢岳、スゴノ頭を経てスゴ乗越小屋(泊)
スゴ乗越小屋から間山、北薬師岳を経て薬師岳登頂後太郎平小屋(泊)
太郎平小屋から折立へ亀谷温泉で登山の疲れを取り帰阪


 8月4日16:00室堂でバスを降りると濃い霧の中。夏だというのにブルブル。寒さ対策にカッパを着て出発。雨がぽつぽつ降り出してきたが元気元気。男性62歳、60歳、57歳。女性60歳、59歳、53歳の6名(宮里2人はともに最年長)花を愛でながら1時間30分ばかり先にある一ノ越山荘を目指す。と、にわかに風が強くなり、雨が激しくなる。ザックカバーを持ってこなかったことを猛省しながら、風雨と戦い雪渓を5つも越えてやっとこさ山小屋到着。  ストーブがたかれていてほっとする。急いで荷物の整理をしほっと一息と思いきや、ザックの中でチャポンチャポン音がする。雨水がザックの底に3センチメートルほどたまっているではないか。水を捨て乾燥室へ駆け込む。山小屋は快適でお風呂もある(宿泊客が多くその日風呂はなかったが)明日は立山(3003)に登って、高山植物の宝庫といわれる五色が原を目指す。どんな出会いが待っているのかわくわくしながら眠りにつく。                       
 
 8月5日4時過ぎ起床。?暗い。霧?5:00朝食。出発の時間になっても、濃い霧の中。天候不良で立山登山を断念して7:00出発。高山植物に迎えられ見送られて、坂道をどんどん登る。(ここで憧れの黒百合に出会う)龍王岳の石ころだらけの坂を降りた辺りで、空が明るくなり,ほうきで掃いたかのように青空が顔をのぞかせた。(8:30頃)それからは郷土沖縄のような青空が、我々の行動をずっと見守ってくれたのである。龍王岳の雄姿に感激し、これから取り掛かるであろう鬼岳の険しさを頭に叩き込みながら一服。その前に今日初めて越える雪渓が横たわっているが。石ころだらけの急な登りと、急な下りを繰り返し、足下の絶壁にビビリながら、高い山に取り付いた。今日も雪渓を5つ越え五色が原の木道に辿り着く。槍。穂高。笠が岳に抱かれ、花に囲まれた天空のオアシスで宿泊(時間制限つきながらお風呂があってなんとも幸せな事でした)。


薬師岳縦走2 
 8月6日4:00起床。360度の山懐に抱かれたお花畑に建つ、山小屋で迎える朝。すがすがしい空気を、胸いっぱいに吸い込む。今日もがんばろうという活力が沸いてくる。快晴。5:00朝食。5:15。朝日が山の端から顔を出す。ウオー!食堂から湧き上がる歓声。6:00。色とりどりの花を愛でながら緩やかな坂道を登っていく。緑のオアシスには池とうがあちこちに散らばりきらきらと光をはなっている。まさに雲上のオアシス。鳶山を過ぎ、ゆっくりと登り下りを繰り返す。8:15越中沢の手前。西の空、広島に向かって全員で1分間の黙祷をささげる。62年前の惨禍に思いをはせ、平和で有ればこそ今回の登山も実現できる事を胸に刻む。皆無口。決して6口ではない。ここから急坂に取り付いていく。石がごろごろし足場が悪い。せっかく登ってやれやれ、と思いきや、今度は急な下り。何が悲しいってせっかく稼いだ高度を一気に下げるつらさ。我々の前には今以上の登りが確実に待っているということは否めない事実である。でも、泣き言は言っていられない。3年前の槍ガ岳登山の時は、もっと厳しかったと自分に言い聞かせ、老体に鞭打って乗り越し小屋を目指す。ランプの宿。女性にとても人気がある。と聞いて、足取りも軽くなる。着いた。ビールで乾杯!部屋は蚕だなの下の方。荷物を整理し、テラスで酒を囲んでミーテイング。涼しいを通りり越して寒い!フリースを引張り出して着込む。4:00突然の稲光と雷そして雨。山の天気の変わりやすさを実感する。食事を済まして就寝準備。6:00頃廊下にほの暗いランプが点く。明日の薬師越えに備えて早く休むとしよう。


薬師岳頂上
 8月7日4:00起床5:50出発。いよいよ薬師岳。シラビソやツガの樹林帯を登る。6:48間山着。360度の眺望に一同歓声を上げる。北薬師岳や薬師岳の雄姿も目の前に迫る。目的地は近い!これなら予定より速くつくのでは?我々ってなかなかの健脚かもね。なんて考えながら、石ころの道を登ったり下りたりしながら高度を上げて行く。すぐその考えが甘い事を思い知る事になるのだが。行けども行けども近づかないのだ。手の届きそうな所に来たのにまた下り。雪渓をいっぱい蓄えたカールをいくつも見ながら、北薬師岳に到着。8:54.目的地は近い。右にガレ場。左に雪渓のカールを見ながら、やせ尾根を進む。自分がウマの背中を這っているちっぽけなアブになったような気持ちで進む。どちらに転んでも助からない細い道を這いつくばって慎重に進む。と、薬師如来が祭られた祠のある、薬師岳(2926)に到着。10:25。祠にお参りをし、やれやれ。お弁当を広げ360度のアルプスの山々に抱かれて大休止。良くぞここまで登れた事よ。細い足と小さな心臓に労わりのことばをかけ、天気に恵まれた事に感謝し,リーダー初め山族の会の仲間に感謝して山を下りる。11:10。今日の宿泊地太郎平小屋までは、標高差約600mの下り。登りは標準で行けるが、下りはめっぽう弱い私である。気を引き占めて広い尾根に、第一歩を踏み出す。避難小屋後を過ぎると、石ころだらけの急な下り。薬師岳山荘の赤い屋根が見えてきたが、近そうでいてなかなかつかない。はるか彼方緑の森の中太郎平小屋の赤い屋根が、浮かび上がってきた。真っ白い道が続いているメルヘンチックな絵のような景色である。今日の宿泊地には、さてどんな夢が待っているやら。


 これは山の記録でなく記憶です。行動記録がほしい方はご連絡ください。60歳の退職を記念して、来年は新高山を目指そうかな。なんて大胆な事を密かに思っています。美智子。
64入学のじいちゃんは飯豊山、剣岳、雲の平、玉山に行く予定です。秀雄 (ちなみに8月21日から富士登山に行きます。)