更新日:2008/09/16(火) 21:04

2008年8月 木曾の御嶽山 宮里

8月4日(月)〜6日(水)の2泊3日で、山の仲間「山族の会」のメンバー5人で木曾の御嶽山に行ってきました。
8月4日
 男性3名女性2名。60代は宮里2名。他は50代。最寄の駅で早朝に落ち合っていざ出発。
木曽福島駅でお弁当を買い込み、バスにて中ノ湯登山口へ。11:45着。涼しいというよりも肌寒い。部屋の中で18度。海苔弁当を食べて出発!という時になって雨がふる。カッパを着込んでの出発。去年のザックが水浸しになった薬師岳登山を思い出して少し憂鬱・・・・。でも、出発に当たっての祝福のシャワーだと受け止めることにして明るく軽やかにシュッパーツ!今年は日程が短いので荷物も軽め。それが1番うれしい。快調に歩を進める。小雨降る木立の中、高度を稼いでいく。1時間ほど行くと木漏れ日が差してきてカッパを脱ぐ。葉っぱのしずくと木漏れ日を浴びながら整備された山道を登る。と、目の前にのぼりがはためいているではないか。なになに、ビール?ぜんざい?力餅?そして大きな山小屋がでんと構えている。7合目行場山荘。いいぞいいぞ。リーダーに言って一休みといこう。もうそろそろおやつの時間ではないか。「力餅が食べたいので一休みしていいですか?」「はいはいどうぞ。」ということで山小屋の中へ。中には白装束の集団が20人ほど休憩中。登山者らしきものは見当たらなかった。力餅を食べて元気100倍!温かでふわふわしてて、きなこのかおりと、甘さと少しの塩味が絶妙なお味でした。機会があればぜひお試しください。樹林の道はしだいにダケカンバが混じるようになり、樹高も低くなり潅木帯となり、しばらく登ると8合目女人堂に着く。ここで森林限界となり霧の晴れ間から一気に展望が開ける。下山してきた人から「今日は野口健さんが子供たちを連れて登山している。」と、聞き、先ほどすれ違った親子連れのヤッケにサインしてあったことを思い出す。14:15当初の計画ではそのまま剣が峰に向かうはずだったが、右に分岐する横手道から小屋を目指すことにする。この道は、御岳教講の信者が、三の池の御神水を汲んで帰るための道だそうで、山道を巻くようにして、少しずつ高度を上げていく。途中、雨に降られたり、ブヨと小バエに悩まされる。夫はブヨに両腕を刺されひと月以上も、ぐじゅぐじゅしていた。あー恐ろしい。沢の崩壊箇所もあり急いで通過、と、目の前に大きな雪渓出現。表面には大きな石がごろごろ、慎重にわたる。吹く風が冷たく感じたのは気温だけのせいでは無さそうな気配。もうひとつ、雪渓を超えてなおも進む。と、なんと!コバルトブルーの池出現。
ninoike
真っ白な雪渓を引き込んで緑の中にたたずんでいる。苦しい山登りもこれがあるからやめられないのよね。5名、口には出さないけど同じ思いでしばし佇む。三の池を下に見ながら山道をのぼりに登る。天気はいいのにガスで見晴らしはいまいち。もうすぐ5時。疲れた。先頭のリーダーが「見えた!」と叫ぶ。そこから15分。今夜の宿舎五の池小屋に到着。ベンチに倒れこむ。小屋の前の池は干上がって先に目にした三の池の面影はなかった。そんなことはどうでもよい。無事の到着を祝ってまずはビールで乾杯!山小屋はゆったりとして、木の香りがして快適。食事も手作りにこだわっているとかで、おいしくありがたく頂いた。生まれて初めてホットワインを頂く。何種類かのハーブをブレンドして温めているそうで紹興酒にちょっと近い味かな。7:30ごろお手洗いに行こうと外に出たら満天の星。西の空には細い三日月が冷たく光っている。寒いので外に出ている人はなく、ほとんどの人が寝床で休んでいる。部屋の中にいる人に小声で伝えると大歓声が生まれた。子供のときに沖縄で毎日見ていたあの空だ。なつかシー!でも、寒すぎて奥歯が合わなくなってきた。急いで布団にもぐりこむ。40年も前の北海道大学のワンゲル部との合ワンで与那覇岳でテントを張ったときのこと思い出した。夜中に「ウワーッ気持ち悪るー。」と一人の人がテントから飛び出してきたので何事かと駆けつけると「星が落ちてきそうでこわーい。」とのこと。そのときは「何をオーバーな。」と思っていたが、あのときの星空にはもうお目にかかれないだろうなー。 
 
8月5日
 6:30摩利支天山目指して出発。昼ごろまでの行動ということで、山小屋に荷物を預け、飲み物、非常食、カメラ、カッパ等の軽装で出かける。ごろごろした岩の道を登る。天気は悪くはないがガスっている。ガスがスーッと消えるのを期待したが・・・・黒い溶岩のごつごつした道をひたすら進んで頂上。視界ゼロ。剣が峰に望みを託して出発。ごろごろした岩の道を下る下る。白竜教会までの下りにはチシマギキョウの花が群生していてきれい。だが、頂上目指しているのに何で下るねん。その分、何倍も登らなければいけないやん。ちょっと心穏やかでない。(槍ガ岳の時がそうだったなあ。)疲れ?白竜教会は朽ちた鳥居と祠が、霧の中で幻想的な雰囲気。広い賽の河原を下り、たくさんのケルン?地蔵や碑がある、おどろおどろしい原を横切り二の池へ登る。二の池がぱっと開けたとき思わず「オー!」と、叫んでしまった。
紺碧の水を湛えた、沖縄の海かと見まがうばかりの湖が霧の中にたたずんでいるのだ。標高2900メートル日本最高所の湖は、雪渓も引き込んで女王の貫禄で凛としている。さあ、いよいよ最高峰への登りだ。尾根伝いに40分ほど登ると、御嶽頂上山荘だ。立派な石の階段を82段登り鳥居をくぐると山頂広場だ。9:45到着。
ontakesantyou
360度の展望を期待したが残念。しばらくすると、霧の晴れ間に一の池、二の池を望むことが出来た。写真を撮り下山。一の池西側を下る。荒涼とした火山特有の火口風景が展開する一の池を囲む稜線は、「三十六童士おはちめぐり」というそうで、霊碑の前には、お餅が供えられ霊場の様相を垣間見ることが出来た。五の池小屋に着いたのは12:20。うどんを食べて、13:40濁河温泉に向かって出発!石垣を回り右の高みに飛騨山頂御嶽神社を見て、砂礫の道を下る。周りはコマクサが咲き乱れ淡いピンク色に染まっている。森林限界を過ぎてハイマツ帯へ。下りはきつい!やっと温泉か。というところで土砂降りの雨。今日の宿に着いたとたん豪雨とともに雷も鳴り出す。早くについてよかった!源泉かけ流しの温泉で山の疲れを癒す。


8月6日
 クーラーも無い部屋で?と思っていたら。ガラスの窓が二重になっているわけがわかりました。朝方は寒いくらい。気温18度、歌の通り「夏でも寒い。」を実感して、御嶽山を後にしました。遅くなりましたが御嶽山の記憶です。